こんにちは
東京都豊島区池袋東口徒歩1分ジャズ専門音楽教室
セプテンバーミュージックスクール
ジャズコントラバスコース講師のカイドーユタカです。
「コントラバス」 「ウッドベース」 どこがちがうの?
「コントラバス」と
「ウッドベース」
は何が違うの?
と疑問に思う方が多くいます。
このふたつはどちらも同じ楽器です。
「コントラバス」
という呼び方は
英語、ドイツ語、フランス語
などにもありますが、
「ウッドベース」
は和製英語なので
日本だけの呼び方です。
このほか、英語由来の呼び方で
「ダブルベース」
「アップライトベース」だったり
日本独自の省略型
「アコベ」「コンバス」「弦バス」
と言ったりします。
私はジャズを演奏することが多いのですが
ジャズ界ではシンプルに
「ベース」
と呼ぶことが多いかもしれません。
いろいろ呼び方があって紛らわしいですね。
ちなみに
「ジャズベース」
と言うと
楽器メーカー「FENDER社」が
1960年に発売した
エレクトリックベースの代表的機種
「JAZZ BASS」
を指すことが多いので
それだと「コントラバス」「ウッドベース」
とは違う楽器ですね。
ちがう楽器だけど
「ベース」という意味では仲間です。
たくさん名前を持つ楽器ですが
このブログでは
「コントラバス」
「ウッドベース」
「ベース」の3種類を使っていきます。
「ジャズ」の魅力はリズム
「ジャズ」の土台はベース
「ジャズ」の基本はウォーキングベース
みなさんは「ジャズ」と言うとどんな音楽を連想しますか?
お洒落なピアノの音楽
ファンキーな音楽
トランペットやサックスがソロを吹いている、とか
なんかハネてるようなリズムの音楽、とか
複雑なリズムの音楽?
なんか難しそうな音楽・・・
連想する音楽の感じは様々だと思います。
ジャズという音楽がアメリカで生まれて百数十年、
世界中の人々がそれぞれの感性で
演奏しているのです。
そのスタイルはたいへん多様化しています。
しかしここで私は断言してしまうのです。
ジャズの基本はウォーキングベース
ジャズはウォーキングベースに始まり
ウォーキングベースに終わる!
1940年代~1960年代のジャズで
主流のリズムは
swingとか4ビートと呼ばれるものです。
swing(4ビート)では曲中の大部分、
ベースが四分音符で刻み続け、
強力なビートと推進力、
そしてハーモニーの土台を生み出す。
これがウォーキングベースです。
ジャズという音楽は時代とともに変化し多様化していますが、
ジャズのセッションの現場では
スイング(4ビート)が現在でも主流のリズムだと言えます。
ちなみに「4ビート」も和製英語です。
ウォーキングベースがいつ生まれたのかというと、
ジャズの歴史でも初期の1920年代には存在していたようです。
当時のベースはバスドラム
「ドン・ドン・ドン・ドン」
と一緒に
シンプルなフレーズで
「ボン・ボン・ボン・ボン」と
4つ刻むというようなものでした。
その後、より自由に即興的なベースラインが弾かれるようになったのが
1940年代以降、
ビバップの時代以降になります。
私がジャズに出会ったのは高校生の時
私がウォーキングベースに出会った、
というかジャズに出会ったのは高校生の時です。
当時は洋楽ロック、ポップス、R&Bなどを好んで聴いていましたが、
ふと、父が持っていたジャズのCDを聴いてみた時です。
そのCDは
1940年代~1960年代のジャズ名盤コンピレーションアルバム
だったと思われます。
初めてジャズCDを聴いて
「雷に打たれたような衝撃を受けた」
というとステキですが、
実際はあまりピンと来なくて
「この感じは何だ??」
と疑問の方が大きかったのです。
しかしどういうわけかその後
「この感じ」がどうにも気になってしまい
何回も聴きたくなり、
やがてじわじわと
ジャズの空気感に浸っていたい
と思うようになりました。
当時感じた
「ジャズの空気感」
とは何だったんだろう?
ジャズ独特の緊張感あるハーモニーと
そのバックでバンドをぐいぐい引っ張っている
メロディアスな4分音符が
ジャズの感じを形成していて
魅力的に感じたようなのです。
「メロディアスな4分音符」
つまりウォーキングベースが
主旋律のように聞こえて、
自分にとっては
ピアノ、ドラム、サックス、トランペット等より
ベースの存在が気になって仕方なくなってしまったのです。
ジャズに限らずベースの役割って何かというと
ビート、ハーモニーの土台を受け持つ
というのが思い浮かびますが、
ウォーキングベースにはそれに加えてほかの役割、
メロディに関わる何か、
空気感に関わる何か
を担っているように感じます。
こうしてじわじわと、ズブズブと
ジャズにはまっていきつつあるタイミングで大学に入学し、
当然のようにジャズ研に入部しました。
ジャズ研では先輩のコントラバスを借りて
ブルースのベースラインを練習しました。
教本に載っていた、
12小節ブルース進行のウォーキングラインを弾けるようになった時、
ピアニストの弾くコードと合わせてみました。
その瞬間、
自分がジャズな空気感を奏でられた気がして
大変感激したのを覚えています。
ジャズ研の仲間とセッションを重ねていく中で
ウォーキングベースが
他の楽器の音と絡んでいくのが
心地よく感じました。
更にコード進行を見て
バンドのサウンドを聴き
即興的にベースラインを組み立てながら
曲が進んでいくのは
楽しくて仕方ありませんでした。
1小節に4個だけの音で
極端に派手な音を出さなくても
音楽に安定感と
躍動感を与えられる
そんな
魔法のような力を
ウォーキングベースは持っているのです。
ジャズのベース、どうやって弾くの?
じゃあ、
ジャズのベース、どうやって弾くの?
ジャズの基本はウォーキングベースって言うけど
ウォーキングってどうやるの?
ベースでウォーキング
始めは安定しませんでした。
いろいろ試行錯誤した学生の時
コントラバス(ウッドベース)を始めた大学生の頃、
ウォーキングベースのラインを考えつつ弾くのは楽しかったのですが、
一方でどうしてもしっくりこなくて
試行錯誤していたことがあります。
それは右手の使い方です。
ウォーキングでのピチカートのやり方は
クラシックのピチカートとはだいぶ違います。
クラシックのピチカートは
楽器の前方向へ右手を動かすのに対し、
ウォーキングでは横方向、
自分の身体の方へ弦を引っ張り、
はじいた後となりの弦で指が止まります。
大まかに音で表現すると
クラシックは「ボンンっ」
ウォーキングは「グゥーーン」
でしょうか。
この「グゥーーン」を
連続で出さないといけないのですが、
安定した
「グゥーーン グゥーーン」を鳴らすのが
なかなか難しいのです。
右手の指の使い方でよく言われるのが
「1フィンガー」
「2フィンガー」
「オルタネイト」で、それぞれ
「人差し指1本」
「人差し指と中指をくっつけて同時」
「人差し指、中指交互に」
という意味なのですが、
私は学生の頃から
何年間も右手のピッキングフォームが定まらずにいました。
現在の私がどの様にピッキングしているかというと、
上記3種類を無意識に使い分けています。
ここまで来るのに時間がかかってしまいました。
ピッキングについては
これが正解
という形は無く、
その時の状況、
楽器のセッティングや
奏者によってさまざまです。
ピッキングフォームがどの様に定着したのかは
また次の機会にお話ししたいと思います。